一日の終わりに行うシャンプーは、ただ髪を洗うための作業ではなく、小さな儀式のようなものだと思う
手順をひとつひとつ丁寧に守ることで、髪のコンディションだけでなく、気持ちまで整っていく
今日は、美容師が伝えたい「自宅での完璧なシャンプー手順」を紹介したい
ブラッシング:髪と頭皮の準備運動
お風呂に入る前に、乾いた髪を軽くブラッシングする
- ポイント:クッションブラシや豚毛ブラシを使い、毛先から少しずつ、徐々に根元へ
- 効果:からまりを解き、頭皮の皮脂や汚れを浮かせる
これをするだけで、シャンプー時の抜け毛や摩擦ダメージは減る
予洗い:ぬるま湯で1〜2分
お湯の温度は 36〜38℃。熱すぎると頭皮を乾燥させ、逆に冷たいと皮脂が落ちにくい
- 時間の目安:最低でも1分。髪の根元から毛先まで指を通すようにして、しっかり流す
- 効果:汚れの約7割はこの予洗いで落ちる
ここを省くと、どんなに良いシャンプーを使っても効果は半減する
シャンプー剤の準備:手のひらで泡立てる
シャンプーを手に取り、両手で軽く泡立ててから頭皮へ
- 量の目安:セミロングで500円玉大
- NG行為:原液を直接頭皮にのせること。刺激になりやすい
洗い方:指の腹でリズムをつける
爪を立てず、指の腹で円を描くように
- 順番のおすすめ:前→側面→後頭部→頭頂部
- 強さの目安:地肌を揺らす程度。押しすぎると逆効果
- 洗い残し注意ポイント:耳の後ろ、えり足
泡は毛先をゴシゴシするためのものではない
髪は泡で包むように優しくなでる
すすぎ:時間をかけて完全に
シャンプー以上に大切なのがすすぎ
- 時間の目安:最低2〜3分
- ポイント:耳の後ろ・えり足は念入りに
すすぎ残しはかゆみや匂い、フケの原因になる
トリートメント:毛先に余韻を残す
トリートメントは毛先中心に塗布。頭皮にはつけない
- つけ方:中間から毛先に向かってなじませ、粗めのコームでとかす
- 放置時間:2〜3分。蒸しタオルで包むと浸透力が上がる
その後の水洗はしっかりめで OK
タオルドライ:押すように水分を取る
ゴシゴシ拭かず、タオルで髪を挟み、軽く押す
- NG行為:摩擦でこすること。キューティクルが剥がれる
ここで水分を7割ほど取り除くと、次のドライヤーが早くなる
ドライヤー:冷風でエピローグ
根元から乾かし始め、最後に毛先
- 順番:前髪→後頭部→サイド
- 仕上げ:最後に冷風を当ててキューティクルを引き締める
冷風で髪が落ち着き、ツヤとまとまりが長持ちする
まとめ
シャンプーは「髪を洗う」作業ではなく、髪と自分をリセットするための小さな儀式
- ブラッシングで序章を整え
- 予洗いで下地をつくり
- 泡で頭皮を浄化し
- トリートメントで余韻を残し
- ドライヤーで物語を締めくくる
この一連の流れを守るだけで、髪は見違えるように変わる。毎日のシャンプーが「自分を整える時間」になれば、翌日の物語もきっと軽やかに始まるはずだ。
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